マスターシェフ・チェコの審査員3人、その店を実食!
マスターシェフ・チェコ(MasterChef Česko)は、チェコの民放テレビ局ノヴァ(TV Nova)の料理対決番組で、アマチュアの料理人たちが頂点の座をかけて競い合います。2019年から彼らの命運を握っているのは、チェコの料理番組史上かつてない顔ぶれの審査員たち - ラデク・カシュパーレク、プシェメク・フォレイト、ヤン・プンチョハーシュの3人です。
僕はゴードン・ラムゼイの大ファンなので、マスターシェフはずっと身近な番組でした。正直に言うと、チェコ版は有名な本家よりさらに面白いと思っています。3人の審査員はそれぞれ自分のレストランで料理をしていて、テレビで説いていることが本物かどうか、実際にテーブルで確かめられます。僕も実際に食べて確かめてきました。

マスターシェフがチェコにやって来るまで
マスターシェフはもともとイギリスBBCの番組フォーマットですが、世界的に有名にしたのは、なんといってもゴードン・ラムゼイが出演するアメリカ版です。チェコがこのフォーマットを初めて試したのは2012年で、スロバキアのテレビ局マルキーザ(Markíza)との共同制作によるチェコ・スロバキア版でした。チェコ単独のシリーズがノヴァで始まったのは2015年。最初の2シーズンは、マレク・ラディチ、マレク・フィヒトネル、ミロスラフ・カリナの3人が審査を務めました。
転機は2019年の第3シーズン。カシュパーレク、フォレイト、プンチョハーシュが審査員席に座ったのです。この3人のうち2人は、いまやミシュランの星付きレストランで料理をしています。2023年12月までに7シーズンが放送され、2026年春にはノヴァが第8シーズンの出場者募集を始めました(2026年9月13日時点では、まだ放送前です)。
ラデク・カシュパーレクのFieldと420
カシュパーレクのレストランFieldは2016年から毎年ミシュランの1つ星を守り続けています - ここ数年は、プラハの2つ星レストランの座を公然と狙っているほどです。Fieldには2回行きました。1回目はコロナ禍のランチメニュー、2回目はフルコースのテイスティングメニューで、ほぼすべての料理がゲストの目の前で仕上げられます。いちばん記憶に残っているのは、グリルした鴨のハツ。僕は大感激でしたが、連れはコースの中でこの一皿だけ食べきれませんでした。こういう賛否が分かれる反応こそ、Fieldの狙いなのだと僕は思います。
さらにカシュパーレクは、旧市街広場でレストラン420も営んでいて、ていねいなチェコ料理にミシュラン級の精密さを組み合わせています。併設のベーカリーのロールパンは、僕がこれまで食べた中でいちばんおいしいかもしれません。マスターシェフのカシュパーレクが厳しく見えるなら、「ヘルズ・キッチン」のチェコ版も見てみてください。そこでは彼が、鬼のゴードン・ラムゼイ役をとことん演じきっています。

プシェメク・フォレイトのEntrée
フォレイトはブルノで修業し、ロンドンのミシュラン星付きレストランL'Autre Piedで3年間料理をしたあと、2015年からオロモウツのレストランEntréeを率いています。チェコでは、彼の料理より画面の中の彼を知っている人がほとんどです - もったいない話です。僕にとってEntréeは、チェコ屈指のレストランなのですから。2021年のクリスマスの2日前に味わった9皿のテイスティングメニューは、いまでも僕の最高の食体験のひとつです。そしてスープ「Houbový jan」は?たぶん、人生でいちばんおいしいスープでした。
ミシュランがプラハ以外も評価するようになったら、Entréeはすぐに星を取る - 僕はずっとそう言い続けてきました。そして2025年12月、まさにその通りになりました。ガイドが初めてチェコ全土を評価し、Entréeはオロモウツ初のミシュランの星を獲得したのです。僕の予想は、寸分たがわず的中しました。

ヤン・プンチョハーシュのU MatějeとŠnycl
チェコの料理賞「ズラティー・クハシュ(金のシェフ)」を3度受賞したヤン・プンチョハーシュは、数々の名店で経験を積み、自分の店U Matějeを開いて長年の夢をかなえました。3人の中で、チェコの人たちが本当に愛する料理にいちばん近いのが彼の料理です - 余計な演出のない、王道のチェコ料理を現代風に仕立てた一皿です。U Matějeで食べた、キノコとディルのソースにカルロヴィ・ヴァリ風クネドリーキを添えた仔牛の希少部位のステーキは、完璧な仕上がりでした。クワルク(フレッシュチーズ)入りの甘いパンにラム酒のソースをかけたデザートは、4つのほめ言葉が全部当てはまります。どっしり、ずっしり、遠慮なし、そして絶品。レストランŠnyclではオーストリア料理に力を入れていて、主役はシュニッツェルです。
審査員の腕は、フォークで確かめるのがいちばん
Field、420、U Matěje、Šnyclはプラハに、Entréeはオロモウツにあります。ぜひ足を運んでみてください。審査員たちが全国のライバルと比べてどの位置にいるかは、僕がまとめたチェコのミシュランレストランの一覧でわかります。Fieldの意欲的な実験と、プンチョハーシュの素朴な甘いパン、どちらを味わってみたいですか?😊